東日本大震災で福島第一原発で起こった事故の内容とは

2011年3月11日に発生した東日本大震災では東北から関東にかけて甚大な被害を出しましたが、被災した地域には福島県にある東京電力福島第一原子力発電所も含まれています。
この施設には全部で6つの原子炉が設置されていて、一番最初に設置された1号機は1971年に完成・運転を開始した比較的古い型の設備です。
6号機が完成したのは1979年で、いずれも古い型の原子炉・発電設備でした。

福島第一原発の原子炉の特徴

福島第一原発の原子炉は沸騰水型軽水炉で、炉心を循環して中性子の減速材として機能している1次冷却水の蒸気を使用してタービンを回転させて発電するという特徴を持ちます。
沸騰水型軽水炉は運転中に冷却水が沸騰していますが、出力が大きくなると炉心で多くの気泡が発生して中性子の減速効果が低下することで核分裂反応が抑制されます。
この作用により分裂の過剰な反応を防ぐことができ、暴走を抑えられるという特徴があります。
加圧水型軽水炉と比べると構造が単純で、故障のリスクが低いというメリットもあります。
ただし炉心で強い放射線に晒された冷却水の蒸気を使用してタービンを回転させているので、原子炉で放射能漏れ事故などが発生した際は汚染されたエリアが広がってしまうというデメリットを抱えています。
一般的に原子力発電所は核反応を起こさせて水を通して熱エネルギーを取り出す仕組みですが、核分裂を停止させた後も長時間にわたり核燃料が発熱をし続けます。
核燃料が発熱をすると炉心溶融を起こして燃料棒が融けて内部の放射性物質が漏れてしまう恐れがあるので、運転を停止させている間もしばらくの間は冷却水を循環させて炉心を冷却し続ける必要があります。

もしも核燃料棒が空気中に露出させてしまうと・・・

停止中も核燃料棒は発熱を続けるので、溶融を防ぐためには冷却水の中に入れておくことが求められます。
もしも核燃料棒が空気中に露出させてしまうと温度が急激に上昇し、溶融して内部の放射性物質が外部に漏れてしまうからです。
原子炉の冷却水を循環させるために電動式のポンプが使用されていますが、運転を停止して発電をしていない間でも冷却が続けられるようにするために外部電源や非常用のディーゼル発電機・バッテリーなども備えています。
大地震などが発生すると原子炉は自動停止する仕組みになっていますが、停止後も炉心溶融を防ぐために冷却水を循環させるために複数の装置が用意されています。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では当時運転中だった1~3号機は地震で福島第一原発の原子炉は自動停止しましたが、送電線も被災した影響で外部電源が遮断されてしまいました。
外部からの電力供給が絶たれてしまうと原子炉の冷却を続けるためのポンプを動かすことができなくなってしまうので、非常用のディーゼル発電装置が稼働して必要な電力を賄う必要があります。

炉心溶融(メルトダウン)が起こる

ところが地震後の津波でディーゼル発電装置や他の原子炉冷却が全て使用できなくなり、原子炉内の核燃料の冷却が困難になってしまったことで冷却水の温度が上昇して少しずつ水位が低下し続けることになりました。
外部電源や非常用ディーゼル発電機による電力の供給が絶たれた後も、しばらくの間は非常用のバッテリーや他の方法で冷却水の供給が行われていました。
それでも外部電源の復旧が遅れた影響で炉心を冷却させるための非常用バッテリーや他の装置が次々と機能を停止し、地震当日から14日にかけての間に核燃料を冷却し続けることができなくなることで炉心溶融(メルトダウン)が起こりました。
ちなみに5・6号機については非常用ディーゼル発電装置が高い場所に設置されていて、6号機の発電機だけが被災を免れて稼働していたので2基の原子炉の冷却ができました。
1台だけ稼働していた6号機のディーゼル発電機を輪番で使用することで2基の原子炉の冷却が続けられ、炉心溶融に至ることがありませんでした。
福島第一原発では地震による外部電源の喪失と津波の被害で非常用ディーゼル発電機が使用できなくなることで原子炉の冷却を継続することが困難になり、冷却水の水位が低下して炉心溶融に至りました。

高温の核燃料が残っていた冷却水に接触することで水素が発生する

メルトダウンを起こしてしまうと、高温の核燃料が残っていた冷却水に接触することで水素が発生します。
炉心溶融を起こした後に原子炉建屋の内部に発生した水素ガスが溜まり、何らかの原因で発火した水素爆発を起こして建屋が大きく破壊されました。
炉心溶融を起こした原子炉内には強い放射線を発生する核燃料が露出してしまい、現在も放射線量が高くて人が近づくことができない状態が続いています。

福島第一原発では地震の際に原子炉の緊急停止は成功しましたが、その後の津波によってディーゼル発電機が故障することで炉心の冷却ができなくなってメルトダウンに至りました。

まとめ

過去に関西電力美浜原子力発電所で地震以外が原因で原子炉内の冷却水の水位が低下する事故が発生していますが、この時は緊急炉心冷却装置を稼働させることで大惨事を免れることができました。

関連記事・・・アトックス 年収

最終更新日 2025年9月18日 by sunolu

Scroll to top